印刷業界の営業職にとって主たるミッションともいえる課題解決型営業とはどういったセールススタイルなのか、やりがいや適した人材像などと合わせて説明します。
課題解決型営業と呼ばれる仕事は、単純に自社製品やサービスを売り込む従来的な営業職とは異なり、顧客側が抱える課題の解決を目的として、ニーズにマッチする回答を提案することにこそ、そのミッションがあります。
従って、アプローチの基本は顧客の現状課題をヒアリングすることが第一歩。この段階で顧客は、課題を認識しているケースもあれば、課題に気づいていないケースもあります。そのやりとりの中で課題を整理して、自社製品やサービスを含む解決方法の提案をするのが大きな役割といえます。
課題解決型営業によってセールスする製品やサービスは、顧客のビジネス的成果に直結するものも少なくありません。顧客目線で考えれば、課題解決することこそ重要なのであり、どの企業のどのサービスであるかは二の次。逆にいえば、ニーズにマッチする顧客本位の提案内容こそが重要で、それができる営業職なら受注率も自ずとアップするでしょう。
課題解決型営業は、顧客の課題をヒアリングして、解決するための方法をプラニングして、実践することで答えを出す──コンサルティングともいえるスキルが求められます。
一方、実際の案件では程度の違いはあっても、ケースバイケースとなるもの。従って、課題解決の実績を積めば積むほど、ノウハウが蓄積され、応用力が増すともいえるのです。
提案力がモノを言う課題解決営業は、常日頃から情報をインプットしておいて、必要に応じたアウトプットをできるスキルが求められます。それはネットや資料などから収集するデータだけでなく、様々な現場に足を運んだり、専門家にインタビューしたりするといった行動力も含めたスキルです。
課題解決方法を提案するにあたっては、顧客を納得させられる説得力が必要で、多くの場合数字による裏付けを用いるもの。つまり、課題解決営業は収集した情報を読み解いて、解決策に落とし込む分析力も必要というわけです。
課題解決営業は顧客に対するヒアリング=聞く力の高さが重要ですが、単なる聞き上手ではNG。内容を的確に理解していることを顧客に伝えないと、相手も手応えを感じられません。ヒアリングした内容から要点をまとめるなど、バランスとタイミングを考えて話を返すスキルも大切です。
印刷会社の営業職は、多くが法人営業で印刷サービスを単純にセールスするような業務は主流とはいえません。むしろ、クライアントとなる顧客企業の課題解決をサポートするコンサルティング的側面がより重視される時代。顧客とともにビジネスを成功に導くことが営業担当者にとっての成果にもなります。
マーケティングやプランニング、クリエイティブなど業務領域は多岐にわたる分、容易な仕事とはいえませんが、実績を積むことで多様なスキルが身につく、やりがいのある仕事であることは確かです。