ペーパーレス化が進んでいる現在ですが、印刷業界は衰退していると思いますか?実際の業界の動きをまとめてみました。
「印刷業界は衰退の一途をたどる」という記事や書き込みをよく見かけます。ペーパーレス化によって紙媒体の印刷量は減少し、さらにコロナ禍による行動変容も追い打ちをかけた形となっています。減少する仕事を獲得しようとコスト競争が過熱し、結果として確かに既存の印刷業は衰退していく傾向にあるようです。
しかし印刷の技術を活かして、変化するニーズに対応している印刷会社も多くあります。印刷工程のDXを進め、デジタル印刷など価値のあるブランディングによって、業界が変容していることがうかがえます。
印刷以外に新たな強みを生み出す可能性が沢山あるところが強みである。 印刷会社であるが、現在はIT関連の事業に非常に力を入れているため、「斜陽な産業」という言葉はこの会社には関係ないと考える。 仕事内容に関しては多種多様であり、広告代理店と似ている。一言で印刷会社と言い表せない会社になっているため、これからどの分野が会社の顔になるのか、楽しみである。
回答者:女性/ 営業/ 現職(回答時)/ 新卒入社/ 在籍3年未満/ 正社員
あらゆる業界他社との接点があり、新しい事業やビジネスモデルが生まれやすい。 従来は顧客から仕事を貰うことで始まる受注型ビジネスに寄っていたが、最近では創注型ビジネスを謳いコンサル的な仕事も始めている印象。
回答者:男性/ 営業/ 現職(回答時)/ 新卒入社/ 在籍21年以上/ 正社員/ 生活・産業事業部/ 一般職
近年、印刷業界は汎用性の高い印刷技術を活用して、新たな事業領域の展開や海外へ進出するなど多角化しています。印刷業という枠にとらわれないクリエイティブさが求められる業種へと変わりつつあり、成長が見込まれています。
既存の紙媒体に「印刷する」という事業は減少する傾向にある中、印刷業界では新たな領域への展開を始めています。
その代表例であるBPO(ビジネスプロセスアウトソーシング)は、預かった顧客情報をもとに印刷物の発送・管理といった業務を一括に請け負うサービスです。
その他にも、環境に配慮した包装材の開発や、ICカードなどの情報セキュリティや、エレクトロニクス領域を扱うなど、多岐にわたり開発を進めています。
顧客である企業の海外進出に伴い、特にジャストインタイムでの印刷が求められる包装資材を扱ったり、顧客の低価格要求に対応したりする印刷会社の中には、海外に拠点を置く企業が増えてきています。
また国内での印刷需要の減少に伴い、特に東南アジアなど市場拡大による新たな需要を求め、海外進出する印刷会社もあります。
印刷業界に大きな変化をもたらしているのが、印刷工程におけるDX(デジタルトランスフォーメション)の導入です。
工程のオートメーション化などにより、顧客の要望に合わせたリッチ化の需要を掘り起こし、さらに顧客に対するビジネスプロセスのシンプル化による作業効率化を実現するなど、働く環境にも大きな変化をもたらしています。
紙媒体の印刷需要が減少している現在、印刷業界は新たな事業展開を行っています。
情報コミュニケーションや生活・産業、エレクトロニクス分野の領域への事業拡大、海外拠点を構えた顧客に対する対応や市場開拓を求めた海外事業の加速、DX導入による作業効率化によって、働き手もクリエイティブな人材が求められる業界になってきました。
印刷業界は衰退傾向にある既存の印刷業にとどまらず、汎用性の高い印刷技術を活用した新たな事業への参入を始めています。