印刷業界でデザイナーが手掛ける販促物について、やりがいや制作物の種類、デザイナーにとっての業界動向などを紹介します。
販促物の制作はDMや店頭ツールをはじめアウトプットのバリエーションが豊富で、できるだけ差別化を図ることが要求されるもの。従って、同じような仕事を継続するというより、案件単位でクリエイティビティを発揮しなければなりません。また、案件のコンセプトにプラスして、トレンドや競合動向なども加味する必要があり、個人スキルがモノを言う仕事ともいえます。
エンドユーザーに認知してもらうことを目的とした販促物は、目に止まることを第一義とするケースが多く、制作するアイテムとしては店舗用のポスターやのぼり、POPなどが代表的。意識を向けていないエンドユーザーに対して、一種の注意喚起をする必要があり、瞬間的に目に止まるような強いインパクトを持たせなければなりません。
販促物によって商品やサービスを訴求するといった場合、単に目を引くだけではなく、特徴や競合との違いなどクライアントが伝えたい内容をエンドユーザーに知ってもらう必要があります。制作するアイテムの代表は、カタログやリーフレット、チラシといったように、情報のボリュームに違いはあっても読み物に分類されるケースが多いといえます。
スマートフォン及びSNSに象徴されるように、人々のコミュニケーション様式が大きく変化して、情報の伝播と消費スピードも高速化されている時代。販促物デザインは認知や訴求を高めるためにも、高いクリエイティビティやオリジナリティが求められます。印刷業界がデザイナーに求めるのも、そうした時代背景にマッチしたスキルを持つ人材。さらに、実務では個々の案件における目的やコンセプトにマッチしたアウトプットも必要で、顧客の課題解決を幅広くサポートする役割を担うことになるでしょう。