印刷業界の中でも会社によって得意分野があります。その分野として、印刷の業態は大きく6つに分けられます。商業印刷、出版印刷、事務用印刷、証券印刷、特殊印刷、その他、といった分類です。もちろん、一つだけではなく複数の印刷業態をおこなっている会社もありますが、中小規模の印刷会社は概ね主体となる業態があります。それぞれの業態がどのような特徴を持っているのか、以下で説明していきましょう。
出版印刷とは主に出版社などが発行している書籍や雑誌、教科書、参考書、コミックスなどを印刷するものです。また、卒業文集や学術団体の学会誌などを扱っている場合もあります。出版印刷の場合には、印刷だけではなく製本も請け負っていますので、自社で製本設備を持っているか、外注先が決まっている場合が多いです。また、装丁や製本形式などにこだわりがある場合や、週刊誌など納品期日が短期間で遅れることができない仕事も多くありますので、頻繁な打ち合わせが必要となります。出版社の仕事の場合、納品先は書籍取次会社となります。
商業印刷とは、一般企業や団体、官公庁などがクライアントとなり、印刷業務を請け負う業態です。商業印刷の中でも「宣伝用印刷」と「業務用印刷」に分かれている場合もあります。宣伝用印刷では、チラシやパンフレット、ポスターやPOPなどを印刷します。この場合、クライアントにより広告代理店などが集会することもあり、その場合には代理店のデザイナーや営業から指示があります。そのほか、企業から直接、デザインなどまで一括して印刷会社に発注されるケースもあります。そのときには印刷会社所属のデザイナーが主体となって進行していくことになります。業務用印刷では、起業マニュアルや社内報、会社案内などを印刷します。
事務用印刷とは、企業が使用しているさまざまなものを印刷しています。主に事務用品では、名刺やノート、封筒、はがき、手帳などを取り扱い、ビジネスフォームでは、納品書や請求書、申込書などの伝票類を取り扱います。新規で作成するときにはデザイナーなどが入ることもありますが、多くの場合、在阪(継続的に使用している版)を使って印刷するので、ルーチン的な仕事となります。また、ほとんどが小型の印刷機械を使用した「軽印刷」という部類に入りますので、小規模な印刷会社が多いようです。
証券や証書など金銭に変わるような印刷物を扱っている印刷を証券印刷と言います。 主な印刷物は、株券や商品券、チケット、クレジットカードなどで、偽造防止にホログラムや箔押し、透かしなど特殊な印刷技術も施します。特殊な印刷技術もあり、セキュリティを厳重にする必要がありますので、専門性の高い印刷会社が多いようです。クライアント企業によるチェックや、従業員でも許可なく立ち入れないエリアがあるなど、ほかの印刷会社とは少し違った体制があるかもしれません。
特殊印刷とは 企業が事業を目的とした印刷をおこなうものです。商業印刷との違いは、印刷する対象物の違いです。商業印刷が主に紙を主体にしているのに対して、特殊印刷はプラスチックやダンボール、建材、布地、OPP袋といった特殊な素材に印刷をしていきます。そのため、インクの種類や印刷技術なども高度なものが求められます。
そのほかの業態としては、印刷物に関するデータベースの作成や管理、インターネット分野におけるウェブ制作など、幅広く活動している印刷会社もあります。
ご紹介してきたように、印刷会社の中でもさまざまな業態があり、得意としている分野があります。そのなかで自分がどのような業態に合っているのか、じっくりと検討してみてください。以下にはおすすめの印刷会社を紹介していますので、ぜひチェックしてみてください。