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印刷業界の利益率

印刷業界全体の売上高は下がっているものの、経常利益率がアップしている印刷会社もあり、成長性が見込める印刷会社の共通点を探ってみました。

印刷業界の経常利益率と売上高

経済産業省の公表資料「工業統計調査(産業編)」に掲載されている印刷・同関連作業 製品出荷額の推移を見ると、2006~2008年にかけては6兆5,000億~7兆円の範囲にあった業界全体の製品出荷額が、2009年以降は右肩下がり。資料の直近は2018年で5兆円を下回っています。直近20年間で見ると、市場規模が40%ほど小さくなってしまっているのが実状です。
一方、従来的な印刷事業だけでなく、電子コンテンツ制作や販促ソリューション、BPOといった印刷会社ならではの周辺ビジネスでシナジー効果を生み出している企業も増えているところ。中小の印刷会社でも、印刷物の企画から請け負うワンストップサービスや、効率化を追求したネット印刷サービスなどにより、競合との差別化を打ち出しているケースも見られます。

参照元:リスクモンスター公式HP(2021年調査データ)(https://www.riskmonster.co.jp/study/report/pdf/industryreport2021_02_02.pdf)

経常利益率が上がっている印刷会社の特徴

順位 企業名 経常利益(億円) 前年比の増減
1 大日本印刷 599
2 凸版印刷 580
3 トッパン・フォームズ 98
4 NISSHA 70
5 TAKARA & COMPANY 28
6 朝日印刷 24
7 廣済堂 18
8 共同印刷 13
9 日本創発グループ 7.0
10 共立印刷 5.5
引用元:業界動向サーチ(https://gyokai-search.com/4-insatu-keijyo.htm)

業界動向サーチに掲載されている「印刷業界 経常利益ランキング(2020 - 2021年)」では、凸版印刷と大日本印刷の2社が群を抜いてはいるものの、「前年比の増減」では下降していることがわかります。
一方、3~6位はいずれも前年比がアップとなっている点が要注目。トッパン・フォームズやNISSHA、TAKARA & COMPANY、朝日印刷の4社については、事業領域が幅広いといった共通点があるのです。7~10位の4社も下降傾向にあることを踏まえれば、印刷業界の中でも伸びている企業とそうでない企業と、ある程度二極化が進んでいると考えられます。

印刷業界の利益率まとめ

印刷業界の中でも安定性や将来性が見込める企業は、個々の強みに違いはあっても事業領域を広げているという点は共通項のひとつ。印刷事業だけでなく、クライアント企業に対するDX支援やマーケティングソリューションの提供、そして業務全体をワンストップ対応できるBPOサービスなど、非印刷事業も含めて経営の多角化に取り組んでいる企業が狙い目ともいえるでしょう。
利益率が上昇傾向にある企業なら、価格競争による疲弊も比較的少なく、自社のアドバンテージを持っている、魅力的な印刷会社ともいえるでしょう。

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